season Y

◆第一話 『複眼の法廷』

脚本:櫻井武晴 監督:和泉聖治
ゲスト:石橋凌 田中美奈子 宝生舞 堀部圭亮 松澤一之 小沢和義 菅原大吉


これ冗談抜きで法務省に怒られるんじゃね?

ラストで申し訳程度に本作の裁判員制度はフィクションですとか付けてましたけど、
現に裁判員推進ドラマ等作ってる法務省へ
完全に喧嘩売ってるなぁーと思ったのが第一印象。
まぁどちらかと言えば裁判員制度反対派の私にとっては
裁判員審議が空転はおろか破綻していく様は凄く楽しく見れました。
言うならば三雲判事側の立場でして、
あ、これだとアレだな、右京さんとは永久に分かり合えないんだな。

……と、先週まで普通に放送やってたノリで書き始めてしまいましたけど、
全く初回って感じがしなかったのね。実際は半年振りの新シーズン第1話なんですが。
そりゃ6期もやってると、わざわざ最初に登場人物紹介的な下りを挟む必要も無いし、
ものすごく自然に始まったなーって感覚でしたね。

【見所ダイジェストー】

・新OP
見ていきゃ慣れるとは思いますが……
過去シーズンに比べると随分緊迫感がなくなったなぁ。
特命の2人が非常に楽しそうな雰囲気なのはよく感じ取れるものの、
「事件に直面してる」的緊迫感が今ひとつ薄いというか。
まぁ2週間後には慣れてるでしょうけど。

・SP恒例・空撮
今や上空から撮影した警視庁の画を見ないと
SP始まったなという実感が得られなくなりました。中毒です。

・新宿南署のタモリ倶楽部コンビ
いや、堀部圭亮・松澤一之の2人を見ると真っ先に浮かぶのがそれでして。
これで米沢さん(六角精児)も混じったら、今日の企画は大道具作りですか。

・日本の夏、特命係の夏。
前々から私「一度夏場の特命係も見てみたいなぁ」と申してましたが、
序盤、警官殺しは7月25日と真夏の設定で、照明効果などから
いつもとは違う、夏の組織犯罪対策5課及び特命係の様子が見て取れました。
つか課長、半袖着るくらいに暑いならチョッキ脱ごうよ。

・序盤に大活躍を見せる大木・小松両刑事
数シーズン前までの見切れキャラが嘘のようにセリフも多く、
加えて銃の売人とのアクションシーンもあったりと、
前期最終話並の活躍を見せる両氏ですが、何より今回驚いたのが、
エンドロールにフルネームが表記されたこと。
今までは【大木刑事・小松刑事】と下の名前は出ていなかったものの、
何気に出てるじゃない、【大木長十郎】と【小松真琴】なるフルネームが。
……てか小松さん、真琴だなんて乙女な名前だったんだ。
見た目完全に関西のヤクザなのに

・菅原大吉さん3度目のご出演です
一度目が2ndで議員秘書役(犯人)、二度目が3rdで爆弾魔役(犯人)
そして今回は裁判員役での出演で、これだけ出てる人初めてじゃなかろうか。
過去の例に倣いまた犯人かと一瞬思いましたが、今回は普通の人で終わりました。
4回目は多分犯人役に復帰だろうな。

・いやー素人裁判って本当におそろしいものですね。
ひたすらに死刑死刑と連呼する人がいたり(今回は利害関係者でしたが
他のバイトより日当がいいとの理由できたフリーター裁判員がいたり
マスコミの報道が最大の判断基準な人がいたりと、
この話、あからさまに裁判員制度に悪意を持って作ってるよね。
でも実際似たようなもんだろうと個人的には思いますし、
それこそ三雲判事の言葉のように「人を裁く苦さ」を知らない素人に
裁判なんて出来るのかと。まぁここまで痛烈なアンチテーゼ出されると、
見てるこっちも冒頭で述べたように軽く心配になってくるのですが。

・一方で見えるマスコミの醜さ。
スクープ至上主義で人1人死んでますし。
まぁこれで帝都日報しばらく裁判所出入り禁止だろうから
多少悔やんでいたものの、退職した美和子の選択は正しかったわけで。

・しかし裁判員制度というテーマ以外の部分は
過去の作品の焼き直しみたいなトコロが多少あった気がするんだな、今回の話。
例えば堀部の拳銃再押収で実績挙げてた、なんて話は土ワイ第1話そのものだし、
2nd『雪原の殺意』、4th『最後の着信』も広く言えば似たような警官の腐敗。
三雲判事の「死刑判決後は悪夢にうなされる」発言も、
2nd『白い罠』の死刑執行人の話に通づるトコもあり……ってこれは考えすぎか。
しかも土ワイ除いて皆脚本家同じなので、ネタ切れが少し心配に思えた次第です。
おそらく杞憂でしょうけど。

・そんな堀部に対して右京&薫・W激昂
右京さん身内に対しては『恥を知りなさい』というセリフを良く使います。

・実は一枚噛んでた三雲裁判長
裁判員殺しのきっかけを作ったのがどうもこの人だったということですが
相変わらず小野田官房長は全て見抜いてるくさくて。
この究極の黒幕的態度嫌いじゃないなぁー

・ちなみに右京さんは割合裁判員肯定派か。
でも最後の最後に右京さんにちょっと言わせただけで、
それだけじゃさすがに話全体からヒシヒシと伝わってくる
裁判員反対の印象はフォローしきれないわな。
で、ラストに出た『裁判員制度は2009年9月から施行されます』のテロップも
ある意味で悪意に取れましたが勘繰りすぎですかね。


【今日のいたみん】


・第1話。

裁判傍聴に来て結局抽選に当たらなかったり、
裁判員警護について24時間特亀と一緒にいなきゃならなかったりと
それなりに出てるんですが、とりわけ目立つ場面も無かった今日のいたみん。
つか序盤からずっと芹沢クンとのコンビだけで動いてたので
まさか初回なのに三浦さんの出番無いのかと一瞬心配しましたが
後に一応出てきてました。やっぱりFBI研修が忙しいのか

今日のいたみんは2度目の審理の際に、
前に事情聴取した、被告の同棲相手が裁判所内にいるのを見つけたシーン
「女の言うことだ、信用できねぇ」


まぁ過去にリサ先生だったり蜘蛛女だったりと
女性には苦労してるいたみんのセリフなので、妙な説得力がありました。
まぁそういう意味で言ったわけじゃないですが。

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