2nd season

◆第二十一話 『私刑 −生きていた死刑囚と赤いベルの女』

脚本:輿水泰弘 監督:和泉聖治
ゲスト:岸田今日子 国生さゆり 津川雅彦 伊藤洋三郎


相棒【浅倉編】完結話。さすがSPと言わんばかりの豪華キャストで、
内容も実に入り込んだ話でした。2時間モノの中ではトップクラスの良作だと思う。



【見所ダイジェストー】

・SP=空撮
毎度ご苦労様です。

・ホームレスの炊き出しに姿を見せる浅倉
それが他のホームレスにすぐさま気付かれて通報されるのですが
ここで気付かれたのによく『自由共和国』で大騒ぎにならなかったなぁ
(3rd18話『大統領の陰謀』参照)

・そして拘置所に戻される浅倉→看守3人からフルボッコ
脱獄時に殺害された斎藤前主任の仇討ちじゃーと言わんばかりに。
現主任よりは好かれてたのかね、故斎藤主任

・で今回一番可哀相な人だったのは中津現主任
前主任からは虐められたり、部下たちからは「生理的に大嫌い」と言われたりと、
上からも下からも叩かれる典型的な中間管理職的立ち位置で、
耐え切れずに主任を殺害し、それを浅倉のせいに仕立て上げることに成功するも
突然浅倉が帰還、それに伴い検察庁の妖怪から目を付けられて浅倉殺害を依頼され、
殺したら今度は特命係に目を付けられて、とことん追い詰められる羽目になり
堪らず妖怪に助けを請うも、「なら一生喋れない身体になればいいのよ」
逆にとどめを刺されて、ついには自害。
更に自殺後も特命係お得意のハッタリのネタに利用されるなど
中津さんは犯人ながら、ある意味では一番の被害者だったような気がするんです。

検察庁の妖怪・皆川千登勢
演じるのは、ビジュアル的にもこの人しかいなかったであろう故・岸田今日子
瀬戸内大臣との2ショットなんて、あんなごつい画、
テレビドラマじゃ早々見られませんよ。
結局起訴には至らないような感じの終わり方もしてましたし、
是非とも再登場を願いたい人だったのですが……
その辺の期待は、きっと検察内で偉くなったであろう紘子ちゃんに託しましょう。

・法務省のクソ坊主・瀬戸内米蔵
後にSPの常連・準レギュラーとなる瀬戸内代議士もここで初登場。
この頃はまだ法務大臣と要職に着いておりました。まぁ最後に更迭されたけど。

・また、今回はやたらと印象的なBGMが効果的に使われておりました。
何とも表現しづらいんですが、椅子をキィーキィーと引くような独特な音で、
これが特に皆川の登場シーンで多様されてました。
ミステリアスな雰囲気を煽る感じで好きだったなー

・記憶を失った浅倉に対する薫ちゃんの想い
それは平成の切り裂きジャック・浅倉禄郎に対するものではなく、
純粋に親友・浅倉に対する一個人としての想い。面会ガラス越しに
「他の事はいい、俺のことだけ思い出せ」と叫ぶ様からも良く分かります。
こういう人間臭さが薫ちゃんの魅力なんだなぁと改めて思いますね、うん

・その浅倉の刑務官殺し無罪を証明するため動く特命係
まずは詳しい事情を知ってそうな検察の永井嬢を脅迫する薫ちゃん。
「新聞社の美和子に下手な情報流されたくなければ答えてよ」
「なぜなら彼女(美和子)、俺には絶対服従ですから

思わず右京さんも驚きの表情を見せる言葉で締めくくります。
でも現実には絶対薫ちゃんの方が絶対服従だと思う。

・拘置所にて田端のおっちゃん久々の登場
「日本は三審制だから最高裁まで経験したる」
「未決だから自由が利くのよ。煙草くれ」

完全に拘置所生活楽しんでやがるよこの人。

・斎藤刑務官殺害は誰にでも可能だった
と、米沢さんの首締め実演、被害者役は薫ちゃん。
それを鑑識の部屋でやるもんだから、他の鑑識の人ら完全に呆れてるし。
つか「やれやれ、またやってるよ」的なこの反応、
米沢さんも鑑識課の中では確実に浮いてるんだろうなぁ

・プロゴルファー小野田
瀬戸内法務大臣を迎えての接待ゴルフで、まさかのホールインワンを達成。

・中津主任自殺後、携帯のリダイヤル→皆川に繋がる
その数分後、皆川の下に中津死亡の一報が届く……って怖ええええええええええ
死人からの着信でしかも無言電話だよ、俺なら絶対ちびる。

・皆川が嘱託殺人を行ったことはほぼ明らか。しかし決定的な証拠が無い。
証拠が無いなら作ればいいじゃない。
薫ちゃんの「全てを飲み込んで死んだ」発言を基に、
「中津の腹から遺書が出てきた」とんでもないハッタリをかます右京さん。
これ、前夜に皆川が紘子ちゃんに脅されてなければ成功してなかったわな絶対。

・その前夜の脅し
紘子ちゃん「私聞いちゃったんですよね、電話。もうちょっと上に行きたいんですよ」
そう言いながら足組みする様が随分とまぁエロいこと。
まぁそれはどうでもいいんです。

・皆川出頭→即東京地検特捜部が大挙して警視庁に
内村部長も「48時間待て」と反論するものの、何も成果上がらなかっただろうなぁ
その後身柄は地検に送られ、その後はまぁいろいろと。
後日談が描かれてないので詳しくは分かりませんが。


……とまぁこんな感じで2nd seasonは終わりを迎えるわけですが、
やっぱり何かシーズン全体を通して1本芯みたいなモノがある方が
全体が締まるような気がしますね。今期は浅倉禄郎がそれに該当するわけですが。
3rdは、まぁ……美和子の浮気が全編通じて描かれてますけど、そういうものではなくて。
何か第一話で起きた事件が最終話まで持ち越されるみたいな感じが欲しいトコロですね


【今日のいたみん】


・第21話。

開始後30分40分経っても全く一課が出てこないので
初見の時はまさか最終話なのにいたみん完全無視か?と一瞬不安になりましたが
浅倉火葬の場面でやっと出てきてくれました。
いつものように「特命係の亀山」呼ばわり。それがいけなかった。
あまりにも薫ちゃんの虫の居所が悪い時に言っちゃったもんだから
「いちいちうるせぇんだよ!!」と本気でぶん殴られるいたみん。
ゴメンナサイ、ものすごく吹きました。

まぁそんなこともありましたが、浅倉の事件ということだけあって
さすがに今回は特命に全面協力の姿勢を見せる捜一。
素直に隠蔽工作の疑いがあるとの情報を流してくれたりと
実に特命に友好的に動いてくれました。いいトコあるじゃない一課も。

そんな感じで今日のいたみんですけども、
薫ちゃんに殴られた画で締めても良かったんですが、最後にそれは可哀想と、
先週のヒロコママに続き、二週連続でものすごくやり辛い相手を取り調べるいたみんを。



皆川次席検事が似てないのは仕様です。
つかやり辛さの度合いで言えばヒロコママの比じゃないわな。
三浦さんコーヒー出してるし

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