2nd season

◆第六話 『殺してくれとアイツは言った』

脚本:砂本量 監督:大井利夫
ゲスト:大杉漣 結城しのぶ


第4話からこの話までの連続する3つの話を、
共通する脚本家から勝手に『砂本三部作』と名付けてるんですけども、
3部作を締めくくるに相応しい出来です。全シリーズ通した中でも最優良作の部類に入る話。
とかく最後の大どんでん返しが注目されますが、前の小野田と菅原が飲み明かす場面や
おでん屋台のシーンなどは、大人の哀愁が漂う実に重厚な造りでして。
岸部、大杉両氏の演技力がとにかく光った回でもあります。
こういう話こそ劇場の大スクリーンで見たいのですが、それも今となっては適わぬことで。
劇場版の脚本は砂本氏に書いてもらいたかったな……本当に惜しい人を亡くした。



【見所ダイジェストー】

大木刑事の作業員コスがあまりにも似合い過ぎている件
生活安全部の麻薬強制捜査が行われた際に、
大木刑事が土木作業員風の格好してるんですけど
そのまま現場出る言うても全く違和感が無いんです。

・ハードボイルド作家・菅原英人ファンだった米沢さん
単行本にサインをもらえてご満悦といったご様子で。
ちなみに書いてもらった言葉は『人生は出来の悪い小説の如し』
あまりに感激して「まさしく私の人生そのものです」と言ってみたり。
まぁ……嫁さんには逃げられたしな。

・同級生だった菅原と小野田官房長の関係
菅原の嫁さん(珠江)は昔小野田が惚れてた女だとか、
また破天荒な生活を送る菅原を見ながら小野田が
「アイツみたいな生き方は出来ない」と呟いた場面からも、
自分とは違う人種だからこそ、たとえ女を先取りされたとしても
親しい間柄を続けることが出来るんだといったニュアンスが読み取れたり。

・そんな昔好きだった女が爆死した。
右京さんとおでん屋台で飲み明かす小野田からは、何とも言いがたい哀愁が漂っていて。
普段は何を考えてるのか全く読めない官房長ですけど、
この回では本当に彼の人間臭さが際立ってました。

・一方、最愛の妻を失った菅原は
これまで以上に酒に溺れ、荒れた生活を送ることになるわけですが、
果たしてこの態度は本当に全てを失った男のヤケッパチなのか、
自分を束縛するモノが無くなったことで一挙に開放された結果であるのか。
ラストを先に知っていても、どちらなのか正直分かりません。
常識とは無縁の菅原ですから、両方とも正解なのかも知れませんが。

・小野田と菅原の最後の夜
菅原がスペインへ発つ前日、バーでのシーン。
この時点で小野田は特命から菅原が犯人であるということを暗に知らされており、
「俺に何か言うことないか?」との問いかけには、警察官として、友人として、
そして惚れた女を失った身として、様々な感情が含まれていたんでしょう。
でも結局それ以上は何も言えず。そんな中で久しぶりに吸った煙草の味は、
果たしてどんなものだったのか。

・真相解明、全て菅原の自作自演
しかし証拠が無いので逮捕することは出来ず、菅原1人勝ちの様相に。
が、去り際に狂信的なファンに刺殺されるという
相棒史上最も衝撃的なラストを迎えるわけです。
今後何期も続いていったとしても、これを超えるインパクトを持つ終わり方は
二度と出てこないだろうね。

しかしこの後味の悪さは、是非とも劇場で味わいたかった。
ものすごいどんよりした気分で席を立つの。
勢いで金返せと言いたくなるほどに鬱な気分で。
まぁそんなのを望んでます私の感覚は随分病んでるような気はしますが。


【今日のいたみん】【今日の角田課長】


・第6話。

麻薬強制取締りに乗り出した際、ラリッたニワトリに頭部を集中攻撃された課長。
皮膚面積が広いからケガも自然と多くなってましてね。
特命の部屋に入って絆創膏で治療してました。
そこに聞こえてきた「暇かー?」の声。
条件反射で「暇じゃねえよ」と返したものの、
薫ちゃんの呼びかけで振り向いてみると……
声の主はまさかまさかの官房長でした。そら声も震えるわ。



ちなみに捜一は普通に仕事してるだけでした。
あえて何かを言うなら、芹沢クンが2週連続で亀山先輩に恐喝されてたことくらいか。

【トップページに戻る】